アイキャッチ画像引用元/メトロエクソダス公式
2017年11月に本作がアナウンスされて以来、発売を心待ちにしていました。キャンペーンをクリアしたのでレビューを記載します。
総評
まず、Falloutシリーズに負けず劣らず面白いです!核戦争で地上の所有権はミュータントに取って代わられ、人々はメトロ(地下鉄)での生活を強いられます。「戦争と放射能汚染によって荒廃した世界の果てに、人類は明るい未来を見つけることはできるのか?」っというのが大まかな設定です。世界観からしてFalloutシリーズと比較されることの多い作品ですが、グラフィックやストーリーの出来はFalloutシリーズに負けず劣らない素晴らしいです。しかし、Amazonレビューなどを見ると、PC版とPS4版ではかなり評価が違うようです。PS4版は処理落ちが多くフレームレートも低いとのこと。本作のポテンシャルを最大化するにはPC版がオススメです。
GOOD
それでは本作の良し悪しを詳しく見ていきましょう。まずは良い点、GOODなポイントから。大変面白いゲームなので全体的にGood pointが多く、ネガティブな側面の少ない作品です。
セミオープンワールド
FalloutやGTAシリーズのように完全なオープンワールドではなく、ステージ毎にサンドボックス型のフィールドが用意されたセミオープンワールドとなっています。そして、この仕様は物語性の強い本作に良くマッチしています。広すぎず狭すぎないフィールドは隅々まで探索可能で、メインクエスト以外にいくつかのサブクエストも用意されています。敵拠点への侵入ルートや目的地までの経路も自由に決めることができるので探索の自由度は高いです。一つひとつのマップは広くないのでファストトラベルは存在しません。
終末ものでは最高のグラフィック
本作と近い時期に発売されたポストアポカリプト作品といえば「Fallout76」でしょう。私もシリーズのファンなので発売日にプレイしました。しかし、映像のクオリティは一世代前のものという印象でした。2015年に発売されたFallout4をそのままオンラインにしたようなテイストで、グラフィックに関しては近年の水準と比べるとお世辞にもキレイと言えません。もし、核爆発後の終末世界を最高のグラフィックで楽しみたいなら、それは間違いなくメトロエクソダスの出番です。この世界は戦争によって壊された「破壊」の美しさだけでなく、植物や水、空といったこれから新たな世界を形作る「創造」の美しさも内包しています。グラデーションに染まる夕焼け空や太陽の光を反射して輝く水面など、破壊の中にある創造の美は感動的です。また、本作はGeForce RTX グラフィックス カードの NVIDIA RTX レイ トレーシングに対応しています。グローバルイルミネーションが採用された本作は、自然光の表現やオブジェクトの質感が限界を超えたグラフィックで楽しめます。
一応、私の動作環境を記載しておきます。
CPU | Core i7-8700 |
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メモリ | 48GB |
SSD | 640GB |
HDD | 2TB |
グラボ | 1070ti |
尚、PC版はEpic games Storeでの独占販売となっています。下にストアのリンクを掲出しておきます。
魅力的な人間模様
物語性の強い本作には魅力的な登場人物が多数存在します。中でも主人公アルチョムの妻「アンナ」はゲームの始まりから終わりまで常に物語の中心にいる人物です。まさに苦楽を共にするパートナーです。ゲーム内で最も美しい女性でもあります。そして司令官でアンナの父である「ミラー」。厳格な人物でアルチョムにも厳しい言葉を使います。ゲームの始まりでは命令されたり怒られたりと嫌なヤツだと思っていましたが、物語の終盤にもなると彼への感情は正反対のものへ変わっていました。あまり細かく書くとネタバレになるので控えますが、最後は泣けます。もちろん、アンナやミラー以外にも癖のある登場人物達がストーリーを盛り上げてくれます。エンディングは2パターンあるのでぜひ両方見ていただきたいですね。(私はバッドエンディングだったのでグッドをYoutubeで見ました)そして、本作のストーリーがこんなにも素晴らしいと思えるのはクオリティの高い翻訳と吹き替えのおかげです。ANTHEMをプレイした直後なので心からそう思えます。日本語音声のないゲームは操作中に会話が入っても理解できませんので。
見とれるほど気持ち悪い化け物たち
探索エリアには水辺や砂漠、廃屋や地下道など様々なロケーションが準備されています。そしてどのエリアにも気持ち悪いミュータントが生息し、プレイヤーを不気味に迎えてくれます。メトロエクソダスの敵キャラはどれも魅力的なデザインに仕上がっており、死肉をあさるハイエナのような生物から巨大化した熊やエビ、吸血鬼のように空飛ぶものまでバラエティ豊かです。それらのミュータントが美しいグラフィックで描かれ、高いフレームレートでぬるぬる動いている風景を見ると「これぞ次世代ポストアポカリプトの傑作!」と気持ちが高ぶります。
NO GOOD
では、メトロエクソダスのあまり良くない点を列挙します。とは言うものの、素晴らしい点が圧倒的に多い作品なのでデメリットを十分カバーしてくれていますが。
終盤は一本道
詳しい内容は伏せますが、ストーリーの終盤は一本道です。セミオープンワールドで広いエリアを自由に探索できる仕様は影を潜め、物語の終焉に向かって1つの道を歩いて行きます。しかし、物語性の強い本作においては当たり前の帰結であり、それほど不満や違和感はありません。しかし、少し最終パートが長く中だるみしたかな?という印象は受けました。
できることは多くない
最近の人気ゲームの傾向として「多くの要素を内包している」と言う特徴があります。簡単に説明すると、GTA5は本格的なカーレースやヘリの操縦ができるし、シューティングゲームのような銃撃戦も楽しめます。ステルス要素もあるので銃撃戦だけでなく背後から忍んで敵を倒すといった戦い方も可能です。このように、人気タイトルは様々なジャンルの要素をいくつも内包しているのです。しかし、メトロエクソダスに多様な側面はあまり期待できません。Fallout4のようなクラフト要素はありませんし、ウィッチャー3のようにカードゲームが楽しめる訳でもありません。
ただそれでも、本当によくできた物語とグラフィック、戦闘と探索を楽しめる素晴らしい作品です。執筆している2019年3月4日時点では今年1番のおすすめタイトルです。