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バイオハザードRE:2 レビュー

クリア後のレビュー

Release Date
2019年01月25日
プラットフォーム
PC, PS4, Xbox one
価格(通常版)
7,800円(税抜)
ジャンル
アクションADV
発売元
カプコン

オリジナルの発売から約21年の月日を経てリメイクされたバイオハザード2。クリア後のレビューを記載します。

総評

名作をリメイクする際のお手本となるような素晴らしい作品です。基本となる道筋は原作のままに、グラフィックの美しさや物語の描写、音楽やムービーによる演出を別物と呼べるレベルまで引き上げています。バイオシリーズの新たな試金石でありスタンダードとなる作品です。一点気になるのは、今後バイオシリーズはRE:2のようなゾンビわらわらテイストなのか、バイオ7のような「P.T.テイスト」になるのかという点です。そう言う意味でも、本作はシリーズの可能性を引き出した名作と呼べるでしょう。

総評
リメイクのお手本となるような素晴らしい作品。美しいグラフィックで描かれるグロテスクなクリーチャー達は逸品。今後のバイオシリーズの試金石となるマスターピース。
傑作・名作度90
やみつき度88
操作しやすい度80
耳に残る度80
GOOD
恐怖感
美しいグラフィックによるグロテスク
音楽演出
NO GOOD
欠損描写
一本道のストーリー
85
Score

GOOD

それでは本作の良し悪しを詳しく見ていきましょう。まずは素晴らしいGOODなポイントから。とは言うものの、本作は本当に良い点が多く、良くないと感じられる箇所の少ない作品です。

恐怖感

どれだけゲーム機のスペックが進化しても、次世代型のエンジンで制作さても、ユーザーがバイオシリーズに求めるのは恐怖です。恐ろしくなくてはバイオではありません。そういう意味で本作はユーザーの期待にしっかり答えた名作と呼べます。今までのバイオハザードをプレイして、シリーズの恐怖とは主に下記のような種類があると言えます。

  1. びっくりする恐怖
  2. 追いかけられる恐怖
  3. ピンチによる恐怖

これら全ての恐ろしさが本作には収められています。無音状態でいきなりクリーチャーが出現したり、倒せない敵に追いかけられたり、ゾンビに閉所で囲まれたりと、今までバイオが培ってきた恐ろしい演出が申し分なく詰まっています。特に倒せない敵「タイラント」はとても上手な演出だと感じました。何やっても倒せませんから。
記事「バイオハザードRE:2 レビュー」の恐怖感を説明するアイキャッチ画像
そのくせ容姿はバケモノと言うよりも不愛想で血色の悪い巨大な男。しかも歩くのが早いので追いかけられるととても厄介です。背後からリッカー、正面にタイラントが現れた時の絶望感はダークソウルのそれに似ています。
記事「バイオハザードRE:2 レビュー」の恐怖感を説明するアイキャッチ画像その2
また、ゾンビですらヘッドショットを2~3発当てても生きているほど硬いので、閉所で囲まれるとゲームオーバーになりかねません。シリーズの中でも屈指の強ゾンビに仕上がっています。様々な恐怖ポイントを抑えた素晴らしい仕上がりと言えます。

美しいグラフィックによるグロテスク

グラフィックの美しさは恐ろしい表現に欠かすことができません。緻密に描写されたグロテスクな映像は、ゲームへの没入感だけでなく恐怖心や危機感、緊張感をも高めてくれます。本作のグラフィックはまさに次世代エンジンによる賜物。前作のバイオハザード7同様に「RE: ENGINE」によって作られた映像は大変美しく、そして処理も軽めなのでフレームレートも安定しています。クリーチャーの質感も原作とは比較にならないほどリアルに表現されており、ゾンビやリッカーは画面から悪臭まで感じられそうな作りです。特にリッカーの表現は素晴らしくグロテスク。脳みそむき出しで皮膚のない造形はずっと眺めていられるほど気持ちが悪いです。敵キャラのバリエーションが少ないのは残念ですがそれを十分に補える映像クオリティです。
記事「バイオハザードRE:2 レビュー」のグラフィックを説明するアイキャッチ画像その2

音楽演出

恐怖を盛り上げるのに必要不可欠な要素である音楽。本作のBGMはホラーゲームに最適な仕上がりとなっています。普段は無音で進行する探索ですが、ゾンビやリッカーなどのクリーチャーに出くわすと急に音楽が流れ始めます。音のある無しでプレイヤーの安全度がわかる仕様になっており、無音⇔有音の切り替えしがゲームにメリハリを与えています。また、音楽だけでなく、足音や雨音といった効果音も世界観や風情をしっかり演出しています。タイラントの足音が近づく演出は恐ろしさの極みです。

NO GOOD

どんなに素晴らしいゲームでも「もっとこうして欲しかった」という願望は持ってしまうものです。ここからはあまり良くなかった点を列挙します。

欠損描写

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本作をプレイして最も残念だった点です。バイオハザードRE:2には通常版CEROレーティングD(17歳以上対象)とグロテスクな描写が強まったCEROレーティングZ Version(18歳以上対象)の2種類があります。しかし、プレイしたZバージョンでも国内版は暴力表現、ゴア表現が規制されています。特に手足がちぎれたり首が吹き飛ぶなどの欠損描写は規制の対象となっています。一方海外版はこれらの規制が無く、流血や部位破損によるグロテスクな描写がしっかり表現され、ゾンビの手を銃で撃てば腕がちぎれ、足を打てば足がちぎれて歩けなくなると言った羨ましい仕様になっています。せっかくZバージョンを購入してもこれだけ規制をかけられていると通常版とあまり違いを感じられません。開発メーカーの国で売られる商品が最も規制されたモノになるという何とも言い難い仕様です。

ほぼ一本道のストーリー

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ストーリーは事前に用意された一本道をなぞるだけです。物語の分岐やマルチエンディングといった要素はありません。しかしこれはリメイクと言う性質上仕方のないことです。前作のバイオ7にはミアルートとゾイルートが用意されていましたので、次のナンバリングはマルチエンディングが採用されるかもしれません。プレイ中に様々な分岐点のあるバイオハザードが遊べることを願っています。

次のナンバリングはどうなる?

バイオハザードは前作7から生まれ変わったと感じているユーザーも多いと思います。私もその一人です。次々出てくるゾンビをバンバン銃で倒すアクションゲームと化したシリーズを本当の「恐怖」へ向かわせることに成功しました。しかし、だからこそ気になるのは、これからのナンバリングは「バイオRE:2」テイストになるのか、またはP.T.のような「バイオ7」テイストになるのかという点です。この2作は同じエンジンで作成されている点以外、かなりテイストの違う作品です。一人称視点と三人称視点、多数のゾンビが出てくるのか、主要な敵だけなのか。今までの作品をみるとバイオ7よりも本作の方が新たなスタンダードになりそうに思えます。どちらにせよ、バイオ7、バイオRE:2とシリーズの新たな未来を写し出す素晴らしい作品が出てきたことが嬉しいですね。