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デビルメイクライ5 レビュー

クリア後のレビュー

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Release Date
2019年03月8日
プラットフォーム
PC, PS4, Xbox one
価格(通常版)
6,990円(税抜)
ジャンル
スタイリッシュアクション
販売元
CAPCOM

デビルメイクライの約10年ぶりとなるシリーズ最新作です。クリア後のレビューを記載します。
※本記事はPS4版のレビューです。

総評

総評として、丁寧に作られたデビルメイクライの最新ナンバリングと言えます。美しい映像、滑らかなフレームレート、爽快なアクション、テンションの上がるカッコいい音楽と、CAPCOMが今まで培った技術を総導入して送るスタイリッシュアクションの傑作です。しかし、単調なゲーム性や選択肢のない一本道な展開など、同世代のゲームと比較すると少し物足りなさも残ります。

総評
正統進化したシリーズのナンバリング最新作。グラフィックやアクションが次世代レベルに高められたファンにとっては嬉しい逸品。スタイリッシュアクションと冠するだけあり、敵を薙ぎ払う爽快感はクセになる。しかし、気になる点もちらほら。ストーリーはそれなりにネタをはらんでいるが深みはない。ゲームは一本道で進みサブクエや寄り道は一切ない。近年のトレンドである「あれもこれもできるゲーム」という視点からは物足りなさを感じる。次作ではモンスターハンターワールドのようなイノベーションとも呼べるレベルの「大きなジャンプ」に期待したい。
傑作・名作度70
やみつき度50
操作しやすい度85
耳に残る度95
GOOD
シリーズファンに嬉しい演出
進化したグラフィック
スタイリッシュサウンド
NO GOOD
キメ顔・キメ台詞の連発
単調なゲーム設計
75
Score

楽しめる人

  • とにかくアクションが好き!
  • とにかく美形が好き!
  • のりのりな音楽が好き!

向かない人

  • オープンワールドが好き
  • 色々できるゲームが好き
  • くさいセリフは苦手

GOOD

ますは良かった点です。CAPCOMの本気が伝わってくる素晴らしい点が多くあります。

シリーズファンに嬉しい演出

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シリーズのファンにとって嬉しいのは歴代のキャラクターが集結することです。ダンテ、ネロ、レディにトリッシュ、それ以外にもデビルメイクライのシリーズをプレイしたユーザーには嬉しい演出が多数収められています。

今作の特徴の1つは多様なムービーの挿入です。各章が始まる冒頭にしっかりと作られたムービーが用意されています。歴代のキャラクターが美しい映像で動き、しゃべる様子を堪能できます。また、重要なポイントでも必ずムービーが入り、物語を分かりやすく説明してくれます。洋ゲーのようにストーリーがよく分からなくなる「置いてけぼり感」はありません。親切丁寧な作りです。

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そして、今作から登場したVとは何者なのか?ネロの腕は誰に奪われたのか?など、ゲーム冒頭で現れるこれらの疑問は物語を進めるとしっかり解決されます。とても後味の良い作品となっています。

進化したグラフィック

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本作はシームレスに続くステージを最新のエンジンで作られた美麗な映像で楽しむことができます。バイオハザードRE:2と同じ「RE ENGINE」から生まれたグラフィックはPS4のパフォーマンスを存分に引き出す素晴らしい出来栄えです。また、過去作で問題視されていたfpsも大幅にパワーアップ。60fpsの滑らかな映像でスタイリッシュアクションを楽しめます。敵の多いシーンでも安定して高いフレームレートでプレイすることができます。

スタイリッシュサウンド

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スタイリッシュなアクションを壮大に盛り上げてくれるのがヴォーカル付きのサウンドです。耳に残る歌声とアップテンポでカッコいいミュージックはPERSONA 5を想起させる素晴らしい演出です。また、プレイヤーの状況によって音楽は柔軟に変化します。例えば、戦闘に突入しても最初の一撃がヒットするまでは音楽のイントロが流れ続け、一撃目が命中するとしっかり曲が流れ始めると言ったこだわりぶり。そしてバトルランクがSランクにならないと曲のサビは聞けない仕様になっています。ライブ感のある音楽演出がアクションのカッコよさを何倍にも高めてくれます。

NO GOOD

次に、あまり良くなかった点を列挙します。

キメ顔・キメ台詞の連発

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好みの分かれるポイントですが。

登場するキャラクター、特に男性キャラはほぼ全員くさいセリフを多様します。
「○○だぜ」「○○させてもらうぜ」「かかってこいよ」「準備運動にもならないぜ」のようなセリフをキメ顔で連発します。連発というかキメ台詞だけのキャチボールで物語が進行すると言っていいほどです。これが「デビルメイクライらしさ」と言ってしまえばそれまでですが、プレイヤーによっては好みが分かれるポイントです。

ファイナルファンタジー系のキメ顔×キメ台詞がお好きな方には合うと思いますが、メタルギアシリーズやラストオブアスのような心に残るセリフやシブいカッコよさを求めるユーザーにとって、本作の会話は終始鳥肌立ちっぱなしです。

単調なゲーム設計

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本作で最も余白の残る点です。

ゲームの内容はとても単純で、ムービー>戦闘>ボス戦 の繰り返しが永遠と続きます。スキルアップやアイテム購入などの要素も存在しますが、ゲーム内容としては間違いなく単調です。

国内外問わず最近のゲームのトレンドはあれもこれも出来るボリューム満点なゲームです。2018年のGOTY受賞作「ゴッド・オブ・ウォー」はセミオープンワールドを採用しサブクエストも用意されるなど、一本道だった過去作からゲームの幅が飛躍的に拡大しました。
GOTY受賞作「GOD OF WAR」のアイキャッチ画像
同じように賞を総なめした「レッドデッドリデンプション2」は広大なオープンワールドの世界で銃撃戦、狩猟、釣り、盗みと、西武時代の生活をシュミレートするかのようなゲーム体験を与えてくれました。
GOTY受賞作「レッドデッドリデンプション2」のアイキャッチ画像
2017年のGOTY受賞作「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」はゲームスタート時からラスボスにも挑めるほどの自由度と、どんな山でも登れる、どんな海でも泳げる、開発者のご都合処理が一切ない本当に自由なオープンワールド「オープンエアー」という新しい境地を開拓しました。

これらの近年評価されている作品と比べてしまうと、本作は間違いなく単調なゲームだと言えます。

例えば下記のような要素が加わるとシリーズの面白さは何倍にも跳ね上がります。

  • オープンorセミオープンワールド化
  • サイドクエストの充実
  • 一本道ステージからの脱却
  • ストーリーの分岐
  • 装備による見た目の変化
  • レベルの概念採用

RPGだとファイナルファンタジーシリーズ、アクションだとアサシンクリードシリーズなど、各ジャンルに固執していたゲーム性を拡張(クロスオーバー)させることで成功した例はたくさんあります。

詳しくは下記にまとめたのでご覧ください。

【2019年版】プレイ必須のオススメアクションRPG

本作もアクションだけを深堀りするのではなく、ゲームの領域を拡大してくれる新たな要素を付加することでまだまだ進化する作品です。余白のある素晴らしいシリーズです。

モンスターハンターワールドのような大ジャンプを

2017年から2019年にかけCAPCOMの大進撃はとどまるところを知らず、レビュー集積サイト「Metacritic」では高評価大手パブリッシャーランキングで初の1位を獲得しました。

レビュー集積サイトMetacriticにおいて、 高評価大手ゲームパブリッシャーランキングで初の1位を獲得!
引用元/CAPCOM公式

これには、バイオハザードシリーズの成功やロックマンの新作が好調に推移したことも寄与していますが、なんと言ってもモンスターハンターワールドの世界的な成功が1番の要因です。そしてモンスターハンターワールドの大成功には「前作からのイノベーティブな大ジャンプ」が不可欠でした。グラフィック、システム、サウンドと、その全てが大幅な進化を遂げ、世界中のプレイヤーを興奮させました。

でも、確かに、デビルメイクライにも同じようなジャンプを期待するのは難しい箇所はあります。

しかし、CAPCOMの「作品を深掘りし面白さを拡張する技術」や、「過去の成功を捨て新たな境地に挑戦する姿勢」があるからこそ、期待してしまうのです。

日本が世界に誇る最高にイケてる企業だからこそ。