※2019年4月14日追記
本編をクリアしたので内容を更新しました。
フロム3年ぶりの新作に期待高まる
引用元/SEKIRO公式サイト
ダークソウル3の発売からまる3年。いよいよフロムソフトウェア待望の新作が発売を迎えます。2019年3月22日(金)発売予定の「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE」(以下、SEKIRO/隻狼)は今までのフロム作品同様、難易度の高いロールプレイングが楽しめる作品です。しかし、ゲームの内容はダークソウルやブラッドボーンと異なる点が多数あります。
そこで今回は、SEKIROをフロムの名作「ダークソウル3」「ブラッドボーン」と比較し、どのような特徴があるのかを徹底的に検証します。
SEKIROを過去作と比較【確定事項】
発売日
隻狼 | 2019年3月22日 | ||
---|---|---|---|
ダクソ 3 | 2016年3月24日 | ||
ブラボ | 2015年3月24日 |
一覧にしてみると、フロムの新作は規則正しい時期にリリースされていることが分かります。
-
- 全て3月の決算時期に発売されている。
- 全て3月の給料日直前に発売されている。
これらはマーケティング戦略でしょう。ゲームソフトの売り上げは発売週が最も高くなります。ビジネス的に重要な時期に、ユーザーが買いやすいタイミングで作品を投下していると言えます。
また、フロム作品のほとんどは約3年の開発期間を経て発売されています。
プラットフォーム
引用元/SEKIRO公式サイト
プラットフォーム | PS4 | Xbox one | PC |
---|---|---|---|
隻狼 | 〇 | 〇 | 〇 |
ダクソ 3 | 〇 | 〇 | 〇 |
ブラボ | 〇 | × | × |
ブラッドボーン以外は全てマルチプラットフォームです。ブラッドボーンはSCE JAPANスタジオとフロム・ソフトウェアがデモンズソウル同様にタッグを組んだ作品なのでPS4独占タイトルとなっています。ブラボは間違いなくアクションRPGの最高傑作ですが、フレームレートが低めなので、いつかPC版でヌルヌル遊べる日が来て欲しいですね。
価格
隻狼 | 7,600円(税抜) | ||
---|---|---|---|
ダクソ 3 | 7,430円(税抜) | ||
ブラボ | 7,452円(税抜) |
全タイトル、価格に大きな違いはありません。通常版は全て7,000円半ばで発売されています。尚、SEKIROのコレクターズエディションはイーカプコンで販売されますが、すでに完売となっています。価格は13,176円(税込)です。
引用元/イーカプコン公式サイト
受賞歴
SEKIRO
- E3 2018 Award Best of New IP
- 日本ゲーム大賞2018 フューチャー部門受賞
- gamescom award 2018 最優秀賞/Best Action Game 同時受賞
ダークソウル3
- 日本ゲーム大賞2016 年間作品部門 優秀賞
- PlayStation Awards 2016 Gold Prize・ユーザーズチョイス賞
- Golden Joystick Awards 2016 Game of the Year
- D.I.C.E. Awards Role-Playing/Massively Multiplayer Game of the Year
ブラッドボーン
- 日本ゲーム大賞2015 年間作品部門 優秀賞
- PlayStation Awards2015 Gold Prize・ユーザーズチョイス賞ジャパン部門・ユーザーズチョイス賞アジア部門
- Golden Joystick Awards 2015 Best Original Game・PlayStation Game of the Year
- National Academy of Video Game Trade Reviewers Game, Original Action・Original Dramatic Score, New IP
- 12th British Academy Games Awards Game Design
SEKIROは他2作と違いまだ発売していませんが、既に4つの賞を獲得しています。gamescom award 2018では最優秀賞を獲得し、E3 2018 Awardでは「Cyberpunk 2077」と同時にBest of New IPを受賞しています。フロム作品が海外からも高く評価されている事がわかります。
舞台
隻狼 | 日本/戦国時代末期 | ||
---|---|---|---|
ダクソ 3 | 滅びゆく終末の世界/ロスリック | ||
ブラボ | ※ヨーロッパ/古都ヤーナム |
ブラボ、ダクソと西洋風の作品が続きましたが、SEKIROは日本を舞台とします。戦国時代末期の日本をフロム独自に再解釈した世界となっています。フロム作品で日本が舞台と聞くと「天誅」シリーズを思い出しますが、本作も「天誅 参」と同様、フロムソフトウェアとアクティビジョンがタッグを組み制作しています。
ダークソウル3の舞台は「滅びゆく終末の世界/ロスリック」という記述しか無いため、どこの国や時代をモチーフに作られたのか不明です。ただ、日本ではなく西洋が舞台であるのは世界観を見れば確かです。
一方、ブラッドボーンは「舞台となる“古都ヤーナム”は、ゴシック様式の古くも美しい街並みにヴィクトリア時代の特徴を合わせたもの」とプロデューサーの宮崎氏が話していることから、1800年代半ばから後半のヨーロッパ(特にイギリス)をモチーフに、フロムが再解釈した世界であると考えられます。ヴィクトリア朝は一般的に平和な時代と言われますが、飢餓の時代があり、水質汚染や疫病も流行し、後々大不況へとつながる時代です。そう考えるとブラボの世界観としっかりマッチします。ブラッドボーンで「狩人狩り アイリーン」が付けていた下のマスクもこの時代に流行ったものですね。
引用元/Wikipedia
音楽
隻狼 | 北村友香 氏 | ||
---|---|---|---|
ダクソ 3 | |||
ブラボ |
SEKIROの音楽は過去作同様、北村友香氏がご担当されます。ダークソウルやブラッドボーンのサウンドをご担当され、中でも、時計塔のマリア「Lady Maria of the Astral Clocktower」やロスリック王子との死闘「Lorian, Elder Prince & Lothric, Younger Prince」と言った作品は、フロムの世界観やゲームの雰囲気を最高に盛り上げてくれる傑作でした。Googleで「北村友香」と検索すると「北村友香 天才」と出てくるほど、ファンから絶大な支持を得る音楽作曲家です。SEKIROも北村氏がご担当なら間違いなく素晴らしい楽曲でゲームを盛り上げてくれるでしょう。
※2019年4月14日追記・音楽も神
SEKIROのサウンドも今までのフロム作品に負けず劣らず素晴らしい出来です。天才のなせる技ですね。あっぱれです。
ボリューム
隻狼 | 同等 | ||
---|---|---|---|
ダクソ 3 | |||
ブラボ |
フロム広報の北尾氏によると、SEKIROのボリュームはダークソウル3やブラッドボーンと同等とのこと。プレイ時間の統計を取るウェブサイト「HowLongToBeat」によると、プレイヤーはBloodborneのメインストーリーをクリアするのに約35時間、ダークソウル3は約32時間となっています。また全プレイヤーの平均は、両方のゲームプレイ時間が約50時間とのことです。フロムの作品は隠しステージやギミックにあふれているので、全ての要素を回収するなら50時間前後のゲームプレイは必要ではないでしょうか。
オンライン
隻狼 | × | ||
---|---|---|---|
ダクソ 3 | 〇 | ||
ブラボ | 〇 |
SEKIROを過去作と異なるゲームに仕立てている大きな要因の一つです。SEKIROにはオンライン要素がありません。公式サイトにもプレイ人数は「1人」と記載されています。フロム作品でオンライン機能を使う最大のメリットは何と言っても難関を突破するためのお助け要素です。ボスが強すぎる、ステージが難しすぎるといった時に他のプレイヤー(白霊や狩人)を呼んで一緒に戦ってもらいます。合言葉の設定を行うことで友達同士でプレイすることもできます。SEKIROも過去作同様、いやそれ以上に難易度の高いゲームになると言われているので、オンラインによるヘルプ機能が無いのはなんとも不安が残る箇所です。しかし、公式によるとNPCによるお助けは存在するとのこと。ダークソウル3の最難関といえば「冷たい谷の踊り子 」や「闇喰らいのミディール」。ブラッドボーンでは「漁村の井戸の中の巨大魚人」←(ここは譲れない)でしょうか。オンライン要素のないSEKIROの難所もとても楽しみで今から震えます。
※2019年4月14日追記・お助けNPCは本当に少ない
本編をクリアしての情報です。SEKIROには確かにお助けNPCが存在します。強敵を一緒に倒すため協力してくれます。しかし、登場シーンは大変少ないです。基本は1人で強敵と戦うことになると思っていて間違いありません。そのため、プレイヤースキルが今まで以上に要求されます。
遺影・幻影
隻狼 | × | ||
---|---|---|---|
ダクソ 3 | 〇 | ||
ブラボ | 〇 |
ブラッドボーンやダークソウルでは当たり前の仕様だった遺影・幻影。他のプレイヤーが行動した痕跡や、死に様を見ることができました。これらのお陰で「この先に敵がいる」「ここは落下したら死ぬ」など、数々のヒントを貰うことができました。しかし、SEKIROはオフラインタイトルなのでこれらの機能がありません。他のプレイヤーの幻影が見えた時に「自分だけじゃない!みんな戦っている感」があり嬉しかったのですが、SEKIROでは残念ながら見ることができないので少し寂しいですね。
キャラメイク
隻狼 | × | ||
---|---|---|---|
ダクソ 3 | 〇 | ||
ブラボ | 〇 |
最もキャラメイクで「遊べた」のはブラッドボーン、美男美女が作りやすかったのがダークソウル3ではないでしょうか。フロム作品はキャラメイクがとても柔軟で、顔の形状だけでなく身長や体形もカスタムできました。その自由度のお陰で何時間もキャラメイクに時間を費やせるほどです。しかし、残念ながら最新作となるSEKIROにキャラメイクはありません。「主君を無くした隻腕の忍び」という固定の主人公がいるからです。これも今までのフロム作品とは大きく異なる点と言えます。
ステルス
隻狼 | 〇 | ||
---|---|---|---|
ダクソ 3 | △ | ||
ブラボ | △ |
ダークソウル3もブラッドボーンも敵キャラにはプレイヤーを感知する範囲があり、距離が一定以上離れていたり背後から近づくと敵に気づかれず、強力な攻撃(致命の一撃)を与えることができました。SEKIROではこれらの要素がさらにブラシュアップされ、戦闘に「ステルス」要素が追加されています。主人公の「忍び」という特性を活かし、鉤縄で屋根に飛び移り敵との戦闘を回避したり、壁に張り付いてステルスキルで仕留めるなど、今までのシリーズではできなかったプレイスタイルを楽しむことができます。また、戦闘もしっかりと剣戟アクションが用意されているので、敵に見つかってもそこから過去作のようにアクションスキルを駆使して切り抜けることができます。また、本作は今まで以上に精密なヒットボックス(攻撃の当たり判定)となっています。
ジャンプ移動
隻狼 | 〇 | ||
---|---|---|---|
ダクソ 3 | △ | ||
ブラボ | △ |
フロムの過去作でもジャンプは可能でした。基本的にダッシュしながら前方へ跳ぶというアクションです。シビアなタイミングでジャンプしないと入れない場所や取れないアイテムがあり、フロム作品の難しくも面白い仕掛けの1つでした。しかし、SEKIROのジャンプは今までとは大きく異なります。高い屋根に飛び乗ったり、壁を使って三角飛びしたりと、立体的なアクションへと進化しました。これにより、戦闘のスタイルも大幅にアップデート!敵の攻撃を鉤縄で高所へ回避したり、敵に直接鉤縄をかけて間合いを詰めるといった戦い方もできるようになっています。過去作と比べてジャンプや立体的な移動がゲームプレイに与える影響はとても大きくなっています。
※2019年4月14日追記・ジャンプ移動が世界を広げる
本編をクリアしての情報です。SEKIROを今までのフロム作と全く別次元にまで高めているのが「ジャンプ」と「鉤縄」によるアクションです。この2つ、特に鉤縄による移動の完成度が素晴らしく、使用できる頻度も高いおかげでステージの奥深さや自由度が何倍にも増えました。
一時停止
隻狼 | 〇 | ||
---|---|---|---|
ダクソ 3 | × | ||
ブラボ | × |
ダークソウルシリーズやブラッドボーンにはゲームを一時停止する機能がありませんでした。しかしSEKIROでは一時停止が可能です。これはオンライン要素の有無が関係しています。オンラインで他者と一緒にプレイしている際、1人だけ一時停止してしまうと他のプレイヤーも強制的にゲームがストップされます。SEKIROはオフラインゲームなので他のプレイヤーに与える影響がなく、フロム作品では珍しく一時停止が採用されています。ボス戦や難所の前に呼吸と手汗を整えられるのは嬉しいですね。
マルチエンディング
隻狼 | 〇 | ||
---|---|---|---|
ダクソ 3 | 〇 | ||
ブラボ | 〇 |
ダークソウル3は4つのエンディング、ブラッドボーンは3つのエンディングが用意されていました。そしてSEKIROもマルチエンディングになることが判明しています。過去作のエンディングが分岐する要因を簡単にまとめると以下のようになります。
- 会話の選択
- 重要アイテムの所持/使用
- NPCの殺害
そして全ての分岐要件にNPCが関わります。SEKIROも物語の展開を担う重要な登場人物やアイテムが存在することが予想できます。
※2019年4月14日追記・物語はより深く、より魅力的に
本編をクリアしての情報です。SEKIROは今まで以上に物語がしっかり表現されており、プレイヤーとNPCとの関係や立ち位置が明確です。だからこそプレイヤーの選択が物語に与える影響も大きく、選択によってその後の展開が大きく変わる箇所が存在します。
SEKIROを過去作と比較【未確定事項含む】
篝火
隻狼 | 〇 | ||
---|---|---|---|
ダクソ 3 | 〇 | ||
ブラボ | 〇 |
ダークソウルシリーズでは「篝火」ブラッドボーンでは「灯りの使者」がチェックポイントや転送の役目を果たしましたが、SEKIROでは「鬼仏」がそれに値します。青色の炎が漂い複数の手を持った石像です。アクセスすることでエスト瓶や輸血液にかわる「癒しの瓢箪」をチャージしたりHPを回復できます。しかし、転送システムの役割を担うかは正式な発表がありません。(おそらく担うと思いますが)
※2019年3月10日追記 転送システムはある
メディア向け先行試遊の動画が多く配信されました。その中で転送システムの存在を確認できました。今作もインタラクト済みの鬼仏間で転送(ファストトラベル)が可能です。
装備重量
隻狼 | ※× | ||
---|---|---|---|
ダクソ 3 | 〇 | ||
ブラボ | △ |
装備の重量はダークソウルシリーズにおいて守備力や攻撃力と同じくらい重要でした。重量が重くなりすぎると移動や回避が遅くなりローリング回避がしっかり出来ない、いわゆる「ドッスン」になってしまいます。そうなると敵の攻撃を回避する性能が目まぐるしく低下します。ブラッドボーンには一見装備重量の概念が無さそうに見えますが、裏要素として存在します。ランタンを使用していたり大砲やローゲリウスの車輪を装備するとスタミナの回復速度が低下します。ゲーム内に重量のパラメーターは存在しませんが、装備によってはペナルティがありました。SEKIROに重量の概念が採用されるのか、まだ正式に発表されていません。憶測では「無い」という意見が多数派です。今までの発表内容を見ると、過去作のように装備で服装が変わったり、武器に多数の種類が用意されている訳ではなさそうだからです。噂では刀は数種類用意されているとのことです。
※2019年4月14日追記・装備重量はない
本編をクリアしての情報です。
SEKIROに重量の概念はありません。装備の変更もなく、基本的に武器も防具も全て最初から最後まで同じです。もう少し服装のレパートリーや武器のバリエーションが欲しかったですね。
ジェスチャー
隻狼 | ※× | ||
---|---|---|---|
ダクソ 3 | 〇 | ||
ブラボ | 〇 |
正式な発表はありませんが、おそらくSEKIROにジェスチャーは搭載されません。主に他のプレイヤーとのコミュニケーションを目的に採用されていた機能なのでオフラインタイトルには必要がないからです。しかし、ダークソウル3にもブラッドボーンにも、ジェスチャーは他者とコミュニケーションを交わす以外の用途がありました。それは「竜の頂」へ進むためであり「メンシスの脳みそと交信してカレル文字を入手する」ためでした。そう考えると、SEKIROにもジェスチャー機能が搭載される可能性がゼロではないように思えます。
※2019年4月14日追記・ジェスチャーはない
本編をクリアしての情報です。SEKIROにジェスチャーは搭載されていません。オンライン要素のない完全シングルプレイタイトルなので不要だったのでしょう。
しかし、今までのフロム作品にあってSEKIROにない要素もありますが、SEKIROは間違いなく神ゲーです。平成最後の神死にゲーです。フロム作品のファンなら間違いなく買いの逸品です。