2019年2月に待望のリリースを果たしたアクションRPG「ANTHEM」。全ての体験版とACCESS PRIMIER会員として発売の6日前から本作をプレイした感想を記載します。
総評
総評として「ベースとなるアイデアや操作性は素晴らしいが、神ゲーの域まで高めるには数多くの改善が必要」と感じています。
オンライン専用ゲームが今まで繰り返してきた失敗をまた繰り返したという印象がとても強いです。Falloutのセリフを借りるなら「人は過ちを繰り返す」です。(ベゼスダもFallout76でしっかり過ちを繰り返していますが)多くのバグが残る状態でのローンチ、不安定なサーバー接続、中身の薄いクエストの繰り返しなど、プレイ意欲を低下させる不都合が多く存在します。グラフィックや操作性、物語の背景などはとても素晴らしい作品だからこそ、残念です。
GOOD
ANTHEMには素晴らしい側面が多数あります。総合的にみると問題の残る作品ではありますが、初めて本作をプレイした時に受ける感動はとても大きいです。ではGoodなポイントを列挙します。
最高レベルのグラフィック
グラフィックの美しさはここ最近のゲームでトップクラスです。初めて目の当たりにするANTHEMの世界は自然と共存する荒廃した美しさを持ち、独特な生き物やジャベリンスーツ(プレイヤー達が身に着ける外骨格スーツ)が動き回る風景は、今までに見たことのない世界として我々に感動を与えてくれます。HDRにも対応しているので、4K/HDR対応のモニターでプレイするとグラフィックの美しさは他のゲームと一線を画すレベルです。
抜群の操作性
これだけ広大なオープンワールドを縦横無尽に飛び回れる作品は他にありません。緑の美しい幻想的な世界を高速移動で思う存分探索できます。開発側が「操作性のブラシュアップはとても大変で時間を要した」と話していましたが、その甲斐あってキャラクターの操縦はとてもスムーズで心地よく、ジャベリンを動かしているだけで楽しくなります。初めて操作した瞬間は誰もがその心地よさに気持ちが高揚するのではないでしょうか。
独特な植物や動物たち
ANTHENには数多くの動物や植物、エネミーが存在します。それらのデザインは全て奇妙で美しく、プレイヤーの目を引き付けます。細部に至るまで高いクオリティに仕上がっており、そこに新たな生態系が存在するかのようです。詳しくは下の記事にまとめましたのでご参照ください。
NO GOOD
ANTHEMが神ゲーになれなかった点は多数あります。中でも重要な点を列挙します。
ロードやバグの多さ
最大の問題はロード時間やバグです。拠点から外の世界へ行く際、必ず長いロードが入ります。SSD化したPCやPS4でも約1分の時間を必要とします。ゲームプレイ中の1分はかなり待たされている印象を受けます。これが通常のHDDを搭載したPS4ならストレスを感じる待ち時間です。また、バグの多さも大きな汚点です。発売前のオープン体験版で明らかになったサーバー接続が不安定な問題や、無限ロードでゲームが進まないバグなど、プレイに支障をきたす不具合が製品版にも存在します。(この記事は2019年3月1日に記述しています)アップデートで改善するとアナウンスがありましたが、これがデジタル商品でなかったらどうする気だったのしょうか。車や大型家電なら完全にリコール問題です。
英語音声/日本語字幕
前記したバグ問題に比べるとカワイイ事かもしれませんが、本作には日本語音声がありません。普段私は映画を字幕で見るのでゲームもそうで問題ないと言いたいところですが、プレイヤーとして参加するとなると少し話が違います。戦闘中や移動中にもバンバン英語で会話が進みます。物語を理解するには字幕を見なくてはいけないのですが、敵と戦いながら字幕を読むのは至難の業です。車を運転しながらスマホを見るのが禁止なように、ジャベリンスーツの操作中に字幕を読んでいては事故にあうのです。
繰り返す単調なクエスト
ANTHENのミッションはワンパターンです。ミッションがスタートしたら目的地に向かい、到着すると戦闘開始、戦いながらフィールドにあるアイテムを集める or 何かを敵から守る。これの繰り返しです。敵キャラの攻撃もパターン化されているので新鮮さに欠けます。
ANTHEMからの学び
本作はアクションRPGとして素晴らしい要素を持ちながらも、数多くの問題を抱えたまま産み落とされた問題児です。ANTHEMのプレイを通じて学んだことを最後にまとめます。
- オンライン専用ゲームはサーバー接続が安定しているか要確認
- 体験版でバグの多い作品は本編も要注意
- 日本語音声のないゲームはプレイに支障がないかチェック
- ロード時間の長さは作品の良さを半減させる